前回のコラム(タイトル:スクラム!)の中で、「『AI技術を活用したビジネスモデルの創造』というご支援をさせていただく機会があり、そのコンサルティングアプローチの過程において、スクラムによるプロジェクトマネジメント手法を取り入れている」という記事を投稿させていただきました。
今回は『AI技術を活用したビジネスモデルの創造』の部分について触れたいと思います。
こんにちは。ムーブエフコンサルティングの皆川真人です。
いちおう言っておきますが、「愛(アイ)」じゃありません。もちろん愛も大切ですが、今回は「Artificial Intelligence(人工知能)」の話ですよ!
さて、AI技術というと最近ではスマートフォンの音声応答などを使用されている方も多いのではないでしょうか。AI技術の利用は、すでに身近な場所に入り込んでいると言っても過言ではありません。
では、中小企業が自社のビジネスにAI技術を取り入れるといった場合、どの様なイメージを持たれるでしょうか?
「莫大な投資や費用がかかりそう。結局、大手じゃないと実現できない!」
「優秀な技術者が必要じゃないのか。結局、大手じゃないと実現できない!」
「AIって何の事なのか、よく分からない。結局、大手じゃないと実現できない!」
『結局、大手じゃないと実現できない!』で全て完結しちゃってますね(-_-;)
実はそんな事はないんです。最近では中小企業がAI技術を活用して、売上を伸ばしている事例も少なくありません。
2017年に発表されたケースですが、座席のテーブルに30cmくらいの小さなロボットがいる居酒屋さんがあります。お客さんの会話にツッコミを入れたり、お客さん個人を識別して外見の特徴を言ったりして、まさにロボットがオモテナシをしてくれるのです。
ロボット接客による宣伝効果はもちろんですが、お客さんの容姿や言葉を分析し、顧客インサイトを掴むマーケティング用途としても利用されています。
この居酒屋さんは、資本金1,000万円の中小企業です。ロボットを導入したところ、10%の来店客増を達成したといいます。
このように、中小企業でもAI活用ができるようになった大きな理由は、Amazon、Microsoft、Google、IBMといったIT事業者が、クラウド上でAI機能をサービス提供しており、その利用コストが非常に安価であるからです。また、利用するために必要な技術も簡易的になってきており、開発コストも抑えられる傾向となっています。
先程の居酒屋ロボットのケースでは、一例として、以下のAI機能をクラウドによって実現しています。
- 音声を認識しテキスト化する機能、テキストを認識し音声出力する機能
- 会話を学習し、会話の内容から何をしたいのかを理解する機能
- 人物が写った画像や動画を分析し、複数人の顔を自動認識する顔検知機能、顔のグルーピング機能、顔の人物特定機能など
- 人物が写った画像や動画を分析し、人の感情を自動的に認識する機能
人の感情までも認識してしまうんですね。仮にこれらの機能を月額数千円~数万円程度の費用(※)で利用できるとしたら、『結局、大手じゃないと実現できない!』と言いきれるでしょうか?
(※クラウドサービスの費用は使用量等に応じて課金されますので、上記費用はあくまで一例です。また、AI利用料以外にも、外部事業者への開発委託費などのコストが発生します。)
というわけで、現在のAI技術の利用においては、コスト面でのハードルが非常に低くなっています。
あとは、アイデアと戦略です! AI技術を活用して大手にも負けないビジネスモデルを作る事も夢ではありません。
そのためにも、自社の強みや外部環境の認識から始める必要があります。
そこは、AIではなく、愛ある中小企業診断士の腕の見せどころです。
ムーブエフコンサルティング
代表 中小企業診断士 皆川 真人